こんばんは。本題に入る前に技術士のススメの直近のテーマを少し振り返りますと7月が副業テーマ。8月が倫理テーマ。そして今回が転職テーマ。この7月から9月のテーマは副業・倫理・転職の三つ。これは私としては三部作として構成しています。
副業の時に話したことをざっくりまとめると、「技術者は社外に学ぼう!」という話です。YouTubeでアーカイブ聞けるので、聞いていない方はぜひお聞きください。
次に倫理の会をざっくりまとめると、「問題に直面した時に、あなたはどう行動するか?」という話でした。これもYouTubeでアーカイブ聞けます。
もともと私は製造業全体に問題がある。これを打破するためには技術者は社内だけではなく社外からも広く学ぶ必要があると考えていて、だから#技術士のススメを軸に社外で学ぶ機会を作っていこうとしている。私は。既存のセミナー、技術セミナーもありますが、高すぎる。個人が学ぶにはちょっと難しい。
だから技術者個人が学べる場を作ろうという活動をしている、ということです。
私は場を作る。というのが副業の話。
そして受け手の皆さん、聞いていただいている皆さんははどう行動するか?皆さんが主役です。話をしている私が主役ではありません。あなたはどう行動しますか?という投げかけ。
副業の会と倫理の会を別の視点、斜め上から見るとこういう意図があったわけです。
そして今回。転職の回。
私はこれまでに転職の話はいろいろなところでしています。noteにも詳しく書いています。過去に私がなぜ転職をしたのか。そして転職してどうだったか。後悔はなかったのか。
そういった話はすでに書いてあります。いろんなところで述べています。
今日は同じ話はしません。多少かぶる話はありますけどね。じゃあ何するかというと
一番最初の転職に着目してお話します。
なぜ一番最初の転職か。転職というのは大きな不安を伴います。私は最近、7月に転職をしました。やっと3か月という状況ですね。不安です。毎日。ちゃんとやれてるだろうか?採用時の期待に応えられているだろうか。毎日不安です。
これまでに何度か転職して個人事業主のときもありましたが、5社を会社員として経験してきた今ですらこうですし、過去の転職も毎回ね、転職前後、ずっと不安でした。
でもやっぱり、一番不安が大きかったのは1回目の転職。この時はそもそも転職自体に不安が大きく、なかなか踏み出せなかった。なぜ転職の決断ができたのか。
不安を乗り越えて行動できたのか。そしてその結果どうだったのか。
この辺をお話ししようと思います。
余談ですが、私は決断という言葉が好きでよく使います。漢字で書くと、決める・断つと書いて決断。決断というのは複数の選択肢がある中で他を断って、一つに決めるということです。転職を考えたときにA社に行くのも決断。B社に行くのも決断。転職はやっぱりやめて現職に留まるのも決断。そもそも転職活動もせずに現職に居続けるのも転職活動をしないという決断。いずれにしろ、自分自身の選択で他を断ってここにいる。
ということです。これは私だけではなく皆さんのことです。
あなたの現状はあなたの決断の結果です。
では、私の1回目の転職活動を振り返っていきます。
私は群馬大学の機械システム工学科を修士課程までいきました。
そして2004年の4月に新卒で就職。そのわずか4年後の2008年にうつ病になって会社を6か月休むことになりました。
このころはとにかく仕事は何をやってもダメで私は技術者は向いていないと、ずっと思っていました。本気で。
そんな状況なので当然のように仕事辞めたい、転職したい、ということもずっと思っていました。
逃げの転職ですね。
両親ともに自営業だったので実家に帰って家業を手伝おうとか考えていました。今から思うとそれもずいぶん甘い考えなのですけどね。
とにかくどん底と言っていいくらいに自信がなかった。
技術者は自分には向いていない。やめよう。違う業界に転職しよう。というくらいに追い込まれていました。
だけど、当時で大学から院まで機械のことを学び、働いて約4年間。計10年ほど機械に関する学びや仕事をしてきたわけですよ。10年。おいそれとやめれるものでもないですね。
悩みました。その結果、一つ挑戦しようと思いいたりました。
それが技術士です。
かなり難しい資格であることはわかっていました。かなりというか技術系で最高峰の資格であると。
ここからしばらく、転職から離れて技術士挑戦の話になります。過去にも話したことのある内容ですが、しばしおつきあいください。
技術士に挑戦しようとしたときに、当時の上司から言われました。あんな難しい資格、絶対受からへん。と。
そういう資格に挑戦し合格すれば、私は技術者としてのスタートラインに立てているんだと思えるだろうなと。そう思って挑戦しました。
1次試験はいい。これは勉強すれば受かるので。計算式を覚えれば受かるので。時間をかければ何とでもなる。
問題は2次試験。
1次試験受かってすぐに2次試験の対策に取り組もうと、過去問を見ました。
無理だ。としか思わなかったですね。
論文?書けない。やっぱりすごい難しい資格なんだなと。思いました。
私なんかが挑戦するなんてまぁ無理だったんだと。本気でそう思いました。
でも簡単には諦められない。10年この道で来てるわけです。機械。正直に言うと諦められないのではなく、ほかの道に行く決断ができない。だからこの道に縋りつくために何とかしたい。だけど、今の会社にはもう道がない。考えられない。という状況です、
自分一人ではどうしようもない状況。だから必死の思いで講座に通ったり、技術士会の会合に行ったりしました。
で、技術士会の会合で1次試験合格者のお祝いみたいな会があるんですよ。
そこに行って話を聞きました。
はっきり言って内容は何も覚えていません。
質疑応答の時間に一つ質問をしました。
「来年度、二次試験を受けるつもりですが技術士になるという自信が全くありません。受験に踏み出せません。どうしたらいいでしょうか。」
質問された方も困る内容ですよね。どうしたらいいかって、とりあえず受けろよって話。
でもちゃんと応えていただきました。
「7年以上のご経験があって1次試験に受かった。これはもう技術士になる資格があるということです。ぜひ、自信をもって受験してください。」と
。
ここからですね。気持ちを切り替えて試験の勉強に専念しました。
技術士試験ってたまにね、何も勉強しなくても受かった。とか普段からちゃんと仕事していれば余裕でしょ。とかいう人いるんですよね。
皆さんどう思います?すごいと思います?
私はある意味で全くすごいと思いません。
それはその人だからこその話であって万人に通用する話ではないんですよね。勉強せずとも受かった俺すごいでしょ?みたいな話をする人はあまりすごいとは思いません。
やっぱり私のような凡人はしっかりとした試験対策が必要。
技術士試験対策の王道はまずは自分の業務経歴の棚卸。自分は何をやってきたのか。
そして次に、専門分野のキーワード学習。この辺はのちの転職にも活きてくる。
キーワード学習やっていると、あるときに気づくんです。これって私自身が仕事でやったあの設計のことかなと。
設備の扉が閉まっていないと起動しないようにした。これってフールプルーフだよな。
非常停止ボタンを押すと安全側に作動するよう設計した。これってフェイルセーフだ。
恥ずかしながら、技術士の勉強をやるまでフールプルーフやフェイルセーフという単語を知りませんでした。
でもここで勉強して単語を知ったことで、これまで自分がやってきたことが技術士試験で出てくるような単語に該当するような仕事をやっていたということに気づきました。
これは大きかったです。ずっと私は技術者として何ら価値のない仕事をしていると思い込まされていたわけですから。これちょっとね、思い込んでいたのではない。思い込まされていた。
誰に?何のために?ここは本題から離れすぎるので今日は話しませんが、技術士試験に真正面から向かい合うことでそうではない、と気づけた。
そうやって行動できるようになっていったわけですね。
意識が変われば行動が変わるってやつです。
当時、利用していた転職サイトの資格欄に「技術士機械部門2次試験、今年度挑戦」って書いたんですよ。
31歳。その頃は転職市場も今ほどには成熟していない。そんな中で30代前半で機械部門の技術士をとろうとしている技術者なんてはっきり言って転職市場で出てくるような人は私しかいなかったでしょうね。
すぐに声がかかりました。
そして私自身も技術士試験の勉強を通じて、自信をもって行動することができるようになっていたので即決でした。
当時は京都に住んでいて第一子が生まれる間近というタイミングでしたが、千葉に引っ越すという転職、結構大きな決断ですよね、これを決めました。
条件、給料もかなり上がった。福利厚生で賃貸マンションを社宅扱いで10万円くらい補助も出るようになった。
この待遇を勝ち取っての転職は完全に技術士という資格のおかげです。
このとき技術士の受験を決めてさらには転職を決断していなければ、今の私はありません。
一社目にとどまっていたら働かないおじさんになっていた自信があります。
つまり技術士のススメもありません。
・・・
私にとって技術士という資格は自分のキャリアを切り開くための武器だと思っています。
転職をする理由はいろいろあります。だけどいずれにしろ必ず必要なのは多少の自信とほんのちょっとの勇気。
転職だけじゃないですね。すべての行動。新しい行動をとるには多少の自信とほんのちょっとの勇気が必要。
それをどう自分の中から引っ張り出すか、というところですね。
転職がわかりやすいですが社外に飛び出すということは勇気がいる行動です。私の場合は技術士への挑戦がすべての原点であり、その挑戦や当時の転職はかなりの覚悟をもって踏み出しましたが、それをもうちょっと最初の一歩が気軽にできるように、社外の技術者ってどんな人がいるのか。今回のテーマ、転職の話なんてなかなか聞く機会ないと思うんですよね。
それを技術者に特化して交流できる場があればいいなと思ってやっているのが#技術士のススメです。
私は転職に関してはいたずらに勧めるつもりはない、とよく言います。
これ、もうちょっと説明すると私と同世代。40オーバーで転職未経験の方にはいたずらに勧めるわけではない。ということになります。
より若い世代の方であれば転職活動をした方がいいと思います。これは決して転職した方がいいというわけではなくて転職活動というところがポイントです。転職活動をして内定をもらってもやっぱり現職に留まるという決断もありだと思います。
月並みですが、一生安泰な職場なんてないですよね。だから「私は転職ができる」という実績を一つ作る。これがあるとかなり自分の精神状態がよくなると思います。仕事をするうえで。
そして大事なこととして、自分のライフステージに合わせて会社に求めることって変わる。
その時に会社が全て受け止めてくれるわけではない。転職という選択肢が自分になければ受け入れるしかない。
私だったら、もっと働きたい!仕事したい!と思っても所属していた部署そのものが暇でどうしようもない。
子どもが二人。まだまだ小さい。共働き。今度は逆に、家庭にもっと時間を使う必要があるのにめちゃくちゃ忙しい。
あるいは望まぬ転勤の話が出てきた。
こういうの、すべて受け入れられなかったわけですよ。こういった理由なども転職をしてきた理由にあるわけですよね。
だからその時々でライフステージにおいて転職先を選ぶ決め手というのも変わる。そしてその決め手、この条件だ!というものを勝ち取るためには武器が必要なんですよ。
私自身この通り30歳~40歳にかけてたくさん人生の岐路みたいなのがあった。ときどきで転職をした。転職というのは人生の岐路での選択肢の一つ。
で、大事なこととして転職を含めて選択肢が複数あったとしても、どれも自分のその時々の望みがかなわなかったら意味がないですよね。給料もっと欲しいとか、休みがもっと欲しいとか、転勤したくないとか。
それを勝ち取るための武器が仕事の実績や資格、ちょっと特殊ですが知名度。有名ブロガーとか。本を出しているとか。
仕事の実績だけで勝負できるような人ならいいですが、1回目の転職の時の私はそうでなかったので資格。武器となる技術士という資格が必要だった。そして技術士のおかげで1回目の転職を踏み出すことができた。
31歳で1回目の転職をしなければ、そのあと節目節目で転職することはなかったと思います。
というよりあのタイミングを逃せばそのあとに転職すること自体がもう無理だったと思いますし、それはつまり1社目で会社の言いなりの人生を歩んでいたということ。そしてそうなっていたら確実に働かないおじさんに私はなっていますね。
それでも自分の人生充実していればいいんですけどね。
転職していろんなことを経験するというのは絶対に無駄にはならないですが、転職して失敗した!と思ったこともあります。正直。先に言った通り、とにかく不安も常に付きまとう。
そんなときはまずはとにかく一所懸命やるしかない。与えられた仕事を一所懸命やってれば何とかなりますよ。わき目を振らずにしっかりとそこで成果が出るように一所懸命やる。
ちなみに一所懸命というのは一つのところの一所懸命です。。。
思ってたのとちゃう!みたいなことになったときに、文句ばっかり言っててもどうもならない。とにかく成果を出すにはどうすればいいか?考えて、一所懸命がんばる。やりたくないこともやらなければいけないだろうし、下げたくない頭を下げなければいけないだろうし、納得いかなくとも受け入れなきゃいけない、反論なんてしてはいけない。でも一所懸命頑張る。
それでもうまくいかないこともあるんですよ。だけど、一所懸命やっていればトータル、長い目で見ていい方向に行きますよ。ただ、ずっとがむしゃらにやるだけではなくて時々自分の方向性とか見直す必要はありますけどね。
時々。つまり一所懸命に頑張るにしても自分の中で期限設ける必要があるとは思います。そんな状態、やりたくないことをずっとやり続けて、下げたくない頭をずっと下げ続けて、納得いかないことも受け入れて、反論なんてしてはいけないような状態が何年も続くようであればそれはどこかがおかしい。正直、私自身にとっては今から振り返ると1社目がそういう状態でした。
また、2社目の時なんかは本当に最初のころは雑用ばかりで、例えばわかる人にしかわからないでしょうが、現場の足場の単管の端っこにキャップをかぶせて回るとか。そんな感じで転職したことを後悔したこともありますが、どんなことでも一所懸命やることで最終的には大きな成果をたくさん出せた。1回目の転職では資格しか武器がなかったと思っていたけれど、これで成果、実績。こういう実績を私は出しています。という武器を手に入れた。
一所懸命やればいいということで、最後なんか根性論みたいになりましたが、一番言いたかったことは今あなたが置かれている状況はあなた自身が選択して、決断してそこにいる。ということです。
以上
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